仲源寺、目疾地蔵尊に参る

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四条通りを鴨川から東の八坂神社の方へしばらく歩くと、通りの南側に小さなお寺がある。名を仲源寺〔ちゅうげんじ〕という。ご本尊のお地蔵さまは、目疾地蔵尊〔めやみじぞうそん〕と呼ばれ、眼病平癒のご利益があるという。

桔梗之介はここ数年でずいぶんと視力が落ちてきたことを実感している。いまのところ日常生活は裸眼で支障なく見えているけれど、小さい字はもうダメ。加齢にともなう視力の低下だろうから眼病ではないけれども、目の健康を願ってみる。

このお地蔵さん、もともとは目疾〔めやみ〕地蔵ではなく、雨止〔あめやみ〕地蔵と呼ばれていた。かつて鴨川は大雨になるとよく氾濫した。そこで洪水にならないように雨が止むようにこのお地蔵さんに祈願したのが雨止地蔵の由来。

小さなお寺なので山門からすぐ本堂が見える。その本堂の手前に観音堂がある。こちらの観音さまは平安時代の作で国の重要文化財千手観世音菩薩像。仲源寺は洛陽三十三観音の十六番札所でもある。ただこの観音堂は正面のガラスがよく反射して中の様子があまり見えなかった。

 

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御朱印をいただいた。神社仏閣を訪れた時に御朱印をいただくことがある。必ずいただくわけでもない。だから熱心な蒐集家でもないし、敬虔な信者でもない。仲源寺でいただいたのは、洛陽十六番札所の御朱印

浄土宗 寿福山 仲源寺
京都市東山区祇園町南側585ー1

風鈴の四萬六千日の音

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京都の街角で見かけたほおずきとちまき。ほおづきには浅草寺の雷除けのお札が挿してある。ちまきは八坂神社、祇園祭のもの。江戸と京都を代表する仏さま神さまの強力タッグでこのお宅は守られている。

桔梗之介は浅草寺に近いところに住んでいるせいもあり、ほおずき市で買われたと思われる鬼灯〔ほおずき〕の籠ならちょいちょい見かける。これに風鈴がついて軒先に吊るしてある場合もある。

でも、江戸の市井でみかける鬼灯の籠は、ただの植木鉢にしか見えない。見かけても何の感動も起こらない。たぶん買ったほうも鬼灯の鉢植えと思っていることだろう。ところが京都の街中で、思いがけず出会ったこの鬼灯には情緒というか風情がある。

想定外の出会いによる新鮮さかもしれないが、京都というロケーションがよかったのかもしれない。日本家屋の美しい格子戸の軒先に吊るされていると、ただ植木鉢を並べた下町の民家の前に置かれているものとは、たたずまいが違ってみえる。また、雷除けのお札が挿されているのが素敵だ。

一般に見かける鬼灯は、お札を籠に挿してはいない。挿して外に吊してはいない。お札はおそらく家の中のどこかに鎮座ましましていると思われる。あえて挿しているのは、見せる工夫。

京都の人にとって浅草の文字は新鮮かもしれない。東京の者にとって京都でみる浅草は新鮮にみえる。それに長刀鉾の粽がいい。あれがないと京都だかどこだか分からないもの。江戸の粋、京で咲く。

 風鈴の四萬六千日の音
   久保田万太郎

浅草寺ほおずき市とは、観音さまのご縁日。この日にお参りすれば、四萬六千日お参りしただけのご利益があるという。何度かお参りしている。四萬六千日ではきかないんじゃないかと思うが、観音さまいかがでしょうか。。。

京都散策 雨の先斗町

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八月八日、本能寺で墓参を済ませたあと、京都の市内をぶらぶら。この日は朝から雨模様。しっとりとした古都のたたずまいも結構なものです。せっかく京都へきたのだから、あれもこれもと立ち寄ってみたくなるのも分かりますが、たまには予定と時間に縛られない旅もよいものかと。

時刻もまだ朝のうちで、街もまだ目覚めていないところが多い。ぶらぶら歩いて来たら、先斗町〔ぽんとちょう/ponto-chou〕。ここは京都のかつての花街のひとつ。路地のような狭い通りにいくつもの飲食店が軒をならべる。賑わいは夜に譲り、このときはまだ眠りの中。歴史と情緒のある街だけど、知らないと読めない町の名でもあると思う。

京都先斗町のれん会のウェブサイトによれば、先斗町の東は鴨川、西は高瀬川。川と川に挟まれたこの場所を、皮と皮に挟まれた鼓になぞらえ、叩けばポンと音がするのをもじって、この地を〔ぽんとちょう〕と呼ぶようになったとか。

場所が川っぺりの堤だけに鼓と洒落たとも。一般的にはポルトガル語由来が有名であり、また近年はそれをふまえてカルタ賭博用語から名付けられたとする説が出ている。この新説だと漢字で先斗とする理由も分かるそうな。

由来探しは長くなりそうなので割愛するが、個人的にはしっとりとした先斗町には三味線もいいが、泉鏡花の『歌行燈』よろしく鼓の音もよいかもしれない、と思いを馳せてみる。

 

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